2010年4月7日

ウガンダ道中5日目 - お手本、見果てぬ夢

この日からウガンダは真夏の日差し。気温は30℃を越えない程度だと思われますが、じりじりと焼けてくるのを感じます。既に生え際はオセロの境目の状態です。ここで、SITCの見学は一旦休憩して、カンパラにある日本の施設にお邪魔させてもらいました。

あしながレインボーハウスはカンパラ郊外のナンサナ(NANSANA)にあり、SITCからも車で数分程度の距離にあります。HIV/AIDSで親を亡くした遺児の精神的なケアと文房具や給食の提供、両施設や教室もあり、およそ50人のこどもたちが通っています。また、遺児を引き取った保護者(お話を聞く限り祖母や叔母、主に女性が中心のようです)への教育の指導も行っているとのこと。

日本人スタッフのほか、マケレレ大学の大学生、日本や欧米の学生がボランティアスタッフとして、働いています。私が訪れたときは、日本人の大学生、ウガンダ人の高校生や大学入学前のドイツ人学生が1年間の予定で参加していました。奨学金で大学に進学した学生には、あしなが育英会の国内や海外の施設や活動の手伝いをさせているそうです。ウガンダからは、早稲田大学へ留学させています。

maize flour(メイズフラワー)と呼ばれるトウモロコシの粉を炊いた
ポショと豆のシチュー
美味しそうな香りにこどもたちもうれしそうです。
(写真をクリックするとスライドショーが表示されます)

ウガンダでは義務教育が無償化されていますが、教科書や文房具、給食は保護者の負担となるため、遺児や貧しい家庭で育つこどもたちにとって、ここは自分の力で生き延びる力を手にするための大切な場所です。こどもたちの中には、親からHIV/AIDSに感染することもあり、無料の治療薬を受け取れるよう、近隣のクリニックへ車で送迎されています。

日本の組織が母体となって運営しているだけに5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)が行き届いた印象を受け、見習っていきたいことや発見が多くありました。お手本ということでいえば、こどもたちにとっては奨学金を受け、日本で学ぶ先輩の姿は目に見える希望で、一つのロールモデルといえそうです。留学で学んだ知識や日本との関係を活かして、カンパラに何社もあるウガンダ人の実業家のように成功すれば、新たな雇用を生むきっかけになるなぁ、などとお話を聞いていると、見果てぬ夢が広がるようです。

東京都墨田区の企業の皆さんとのご縁がきっかけで持参した
カイゼンTシャツを着るSITCの代表ベルナルド
まさに「keep on KAIZEN 5S」が大事と実感しました。

また、こどもたちに教育の機会を与えるためには、保護者(特に女性)が仕事を持つことの重要性も痛切に感じました。小規模の農業や内職のための資金で言えば、マイクロクレジットと教育支援という関係にもつながるのかもしれません。厳しい現実や解決したい課題は、ここでも数多くありますが、こどもたちの前向きな力強さに坂の上の雲を仰ぎ見る思いの訪問でした。

遠く離れた世界で奮闘されている日本人のスタッフやまだ日本を訪れたことのない現地スタッフの皆さんに日本の想いのつまった何かをと言うことで、こどもたちへのゴリラの夢風船に加えて、これも縁あって知り合った旭酒造の日本酒「獺祭(だっさい)」をお持ちしたところ、飲んべえのスタッフから熱烈歓迎をいただきました。

今回がウガンダ初上陸(?)の獺祭遠心分離50
シャブリのように冷やして飲むと白ワインのように米の果実味を感じられます。

※ ここに書かれている情報は私が聞いた内容を記載したものです。内容に誤りや正確でないところがっても、それは私のいたらなさであり、あしながレインボーハウスやお話しをお聞かせいただいた方々の問題や責任ではありません。あらかじめご了承ください。

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